2015年1月3日土曜日

既存肝炎治療薬にがん転移抑制効果?!

こんな情報が流れてます。(米科学誌 Journal of clinical investigation 2015年1月2日)
中山敬一・九州大教授(分子医科学)らのチームによると、既存の肝炎治療薬(プロパゲルマニウム)にがんの転移を抑制する効果があるらしい。
マウス実験の段階なのでまだ実用化については何とも言えないが、副作用が少ない薬なので期待が持てるという。

がんが転移すると、細胞のまわりに「がんニッチ」と呼ばれる正常な細胞の集団ができ、免疫機能の攻撃からがん細胞を守るバリヤーの働きをして?、がん細胞の成長を助けることが判ってきた。
乳がん患者の血液分析から、特定の酵素(Fbxw7)が少ない人はがんを再発しやすいことを確認。この酵素を減じるよう遺伝子操作をしたマウスにがん細胞を移植したところ、がん細胞の周りにある線維芽細胞からCCL2というたんぱく質を分泌し、これが白血球の一種「単球」を呼び寄せることによりがんニッチを形成、がんの転移を早めていることを、世界で初めて突き止めた。
CCL2というたんぱく質は、B型肝炎ウイルスが炎症を起こす仕組みにも関係しているので、慢性肝炎治療薬として使われているプロパゲルマニウムをマウスに投与してみたところ、乳がんの転移はほぼゼロに、悪性の皮膚がんの転移は3分の1以下に抑えられたという。
中山教授は「承認されるまでに早くて5年。使用はそれまで待ってほしい。
がんの摘出手術に前後して服用を始めれば、再発や転移を防げるはずだ」と話している。

すぐに飛びつきたい気分の方も居られるとは思いますが、
ここは落ち着いて今後の進展を見守るべきではないでしょうか。