2012年3月1日木曜日

デガレりクス

ここのところ評価の高いデガレりクスですが、
このたび(2012年2月28日)、スイスFerring Pharmaceuticals社より新しい発表がなされました。

「ゴセレリン+ビカルタミド」とデガレリクスの比較で、腫瘍縮小(前立腺体積の変化率)効果はほぼ同じだが、(12週の時点で、デガレリクスが-36.0%、「ゴセレリン+ビカルタミド」が-35.3%)
患者のQOLに大きな影響を与える下部尿路症状の軽減では、ゴセレリンの方が優れていたというものです。
(注:ゴセレリンやリュープロレリンというのはリュープリンやゾラデックスと同じLH-RHアナログ剤。)
有害事象発生率は両群間で差はなかった。

ついでにデガレりクスについてこれまでの情報を整理しておきます。

・デガレりクスは、Gn-RHアンタゴニスト(拮抗剤)である。
・2008年12月にFDA(米国食品医薬品局)が承認。
・リュープリン等のLH-RHアゴニストは、投与直後にテストステロンの上昇を招き
 (フレアーアップ現象)、抗テストステロン剤(カソデックス等)の併用が
 欠かせないのに対し、アンタゴニストは直接テストステロンの産生を抑制するので、
 抗テストステロン剤の併用を必要としない。
・デガレりクスと「リュープロリド(±ビカルタミド)」を比較したところ、
 デガレりクスはリュープロリドに比べ速やかにテストステロン値を低下させ、
 PSAの上昇または死亡のリスクを34%低減させ、
 PSA無増悪生存率でも有意に優れていた。

デガレリクスに関して入ってくる情報は、良いことずくめ・・・多少割り引いても期待できる薬であることに間違いはなさそうです。