2011年2月21日月曜日

間欠療法の生存期間は持続ホルモン療法と変わらない

(ASCO GU:カナダSunnybrook Health Science CentreのLaurence Klotz氏の発表):不完全な要約です。
放射線療法後にPSA再発のあった患者に対し間欠療法を行ったところ、全生存期間は、持続的ホルモン療法を行った患者に引けをとらないということが判った。
これまでは、間欠療法によるQOLの改善は示されていたが、生存期間に対する証明はされていなかった。
調査対象は、放射線療法(初期治療または全摘後の救済治療として)を受け1年以上経過した、PSA=3以上、テストステロン=5nmol/L以上の患者。
間欠療法群、持続療法群、それぞれ700人弱を比較した。
間欠療法では治療休止中にPSAが10を超えた場合は治療を再開、各サイクルで、抗アンドロゲン剤と、
LHRHアゴニストの投与を行った。
臨床的な進行を認めた場合や、治療中止後2カ月以内にPSAが10を超えた場合は持続療法に切り替えた。

間欠療法群が抗アンドロゲン剤の投与を受けた期間は3.5カ月(中央値)、LHRHの投与を受けた期間は15.4カ月(中央値)であった。
持続療法群ではそれぞれ2.9カ月と43.9カ月であった。

全生存期間は間欠療法群8.8カ年、持続療法群9.1年。
去勢抵抗性となるまでの時間は、間欠療法群9.8年、持続療法群10.0年。
7年間の死因別死亡数にも有意差はなかった。
有害事象では、ホットフラッシュが間欠療法群で有意に減少した。

これらの結果から、Klotz氏は「根治的放射線療法を施行後にPSA再発を認めた前立腺の多くの患者に対し、間欠療法群は標準治療であるべきと考える」と述べた。