2009年2月12日木曜日

前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)の鎮痛効果

ノースカロライナ大学医学部とヘルシンキ大学の研究グループは、前立腺癌(がん)の腫瘍マーカーのひとつ、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)が、痛みを引き起こす化学伝達物質を痛みを抑える物質に変換する、痛覚ニューロンにみられる蛋白と同一であることを突き止めた。
 マウスを用いた試験の結果、PAPの単回投与(single dose)によって、モルヒネと同等の鎮痛効果が認められ、さらに持続時間はモルヒネよりも大幅に長いことが判明した。モルヒネ単回投与の効果持続時間が5時間なのに対し、PAP単回投与では最長3日間とはるかに長い。
「この蛋白(PAP)には革新的な疼痛治療をもたらす可能性がある。モルヒネのように注射して疼痛治療に用いることもできるが、錠剤として使用できるようにしたい。」とノースカロライナ大学細胞分子生理学助教授Mark J. Zylka氏は述べている。