2009年2月10日火曜日

NOTES(経管腔的内視鏡手術)

外科手術は、侵襲の大きい外部からの切開から、内視鏡やロボットなどを利用した低侵襲手術へ移行しつつありますが、
このNOTESという手法はそれをさらに進化させたもの。
内視鏡の進入口(あるいは臓器の摘出口)を人体の自然孔、口(胃壁)、肛門(大腸壁)、膣(膣壁)等を利用することで、
より患者への負担を少なくし、傷跡もより目立たなくすることができるという。
現段階でヒトに応用されているのは経胃と経膣の2つで、腸壁への応用は感染制御法の確率が先決。
ただ、内視鏡の操作性などの問題から「ピュア(完全)NOTES」は少なく、腹腔鏡のアシストを伴う「ハイブリッド(混合)NOTES」が大勢。
インドや南米では臨床応用がすでに盛んに行われているとのこと。

【参考実施例】
・従来なら開腹をしなければわからなかった膵がんの病期診断を、口からの内視鏡で経胃的に腹腔内観察を行う。
 (大分大第一外科北野正剛教授)

・経膣的胃粘膜下腫瘍切除を55歳女性と63歳女性に対して施行し成功。術後の疼痛の訴えは皆無に近かった。
 (阪大消化器外科中島清一助教)

・経膣的腎移植(48歳の女性から姪に)に成功。ドナーには特に低侵襲性(痛み・傷跡が小さい)が求められる。
 (米国:ジョンス・ホプキンス大)

前立腺切除に、はたしてNOTESが応用できるのか?
直腸経由となるので、傷口からの感染がやはり一番問題になるでしょうね。
会陰式同様リンパ節の郭清は難しいと思うので、初期がんに限られるでしょうし、
初期がんなら、ブラキセラピーなどもっと楽な方法もありますね。
腎臓の手術でもオトコは膣がないので難しいでしょうね。ここでも女性優位?